熊取町とは、大阪府の南部、泉南郡にある町で、関西国際空港のある泉佐野市の東隣、大阪都心部から約30kmの位置にあります。人口は42,091人(大阪府毎月推計人口、2026年9月1日現在)で、3つの大学と京都大学の研究所があり、町は「学園文化都市」と紹介しています。江戸時代に庄屋をつとめた中家・降井家の建物(中家住宅・降井家書院。いずれも国の重要文化財)が残る、大阪・泉州の町です。
「熊取町って、大学があるのは知っているけれど、ほかに何がある町?」
引っ越しや通学をきっかけに初めて熊取町を調べると、まず浮かぶ疑問です。町の公式サイトは項目ごとにページが分かれていて、全体像をつかむには何ページも行き来することになります。
この記事では、位置と人口、交通と暮らし、歴史、大学、名所、特産・祭りを、町・大阪府・文化庁の公式資料(2026年10月11日確認)で整理しました。大阪府泉州地域の中での位置は、大阪府泉州地域の範囲と市町の一覧で紹介しています。
この記事のまとめ
- 大阪府泉南郡の町で、関西国際空港のある泉佐野市の東隣、和泉山脈のふもとにあります。
- 人口は42,091人(大阪府毎月推計人口、2026年9月1日現在)、面積は17.24km²です。
- JR熊取駅から大阪市内まで約35分、関西国際空港まで約15分(町の概要)。町内は「ひまわりバス」が4コースで走ります。
- 1951年(昭和26年)に町制を施行し、1963年(昭和38年)の京都大学の研究所の設置と熊取駅の快速停車をきっかけに人口が増えました。
- 3つの大学と京都大学複合原子力科学研究所があり、町は「学園文化都市」と紹介しています。
- 名所は、国の重要文化財の中家住宅・降井家書院、永楽ゆめの森公園、奥山雨山自然公園などです。
目次
熊取町はどこ?大阪府泉南郡熊取町の位置・面積・人口
熊取町は大阪府南部の泉南郡にある町で、大阪都心部から約30km、関西国際空港のある泉佐野市の東隣に位置します。面積は17.24km²で、人口は42,091人、世帯数は17,324世帯です(大阪府毎月推計人口、2026年9月1日現在)。
泉佐野市の東隣、和泉山脈のふもと
町の形は東西約4.8km、南北約7.8kmの木の葉のような形で、面積17.24km²は大阪府全体の約0.9%にあたります。町役場の所在地は大阪府泉南郡熊取町野田1丁目1番1号です。
町の南には、和泉山脈の一部である雨山(海抜312m)と奥山雨山自然公園があります。町の中央部を見出川・雨山川・住吉川が流れ、大阪湾へ注いでいます(熊取町「熊取町の概要」)。
地名「熊取」の由来
「熊取」という地名の由来には諸説の伝説がありますが、町は自然の地形から来たものとみています。周りを山地や丘陵で「クマドリ」された谷、あるいは盆地の地形から名づけられたのではないか、というのが町の説明です。
人口は統計によって数字が違う
熊取町の人口は、どの統計を見るかで数字が変わります。
| 統計 | 基準日 | 人口 | 世帯数 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 大阪府毎月推計人口 | 2026年9月1日現在 | 42,091人 | 17,324世帯 | 大阪府 |
| 住民基本台帳人口 | 2026年9月末現在 | 41,793人 | 19,039世帯 | 熊取町 |
| 国勢調査 | 令和2年(2020年) | 43,763人 | 17,256世帯 | 熊取町「熊取町の概要」 |
府の推計人口は国勢調査をもとにした推計で、住民基本台帳人口は住民票に登録された人数です。数え方が違うため、人口も世帯数も一致しません。府の同じ資料では、過去1年間の増減は−446人(自然増減−284人、社会増減−162人)です。
熊取町の交通と暮らし:JR熊取駅・ひまわりバス・子育て支援
熊取町の鉄道駅はJR阪和線の熊取駅で、町の概要によると大阪市内まで約35分、関西国際空港まで約15分です。JR阪和線は町の西端を通り、町は町内循環バス「ひまわりバス」を運行しています。暮らしの面では「ほほえみ子育て熊取町!」を掲げて、子育て支援と転入定住を進めています。
JR熊取駅と道路
主な道路は、国道170号(大阪外環状線)、府道泉佐野打田線、府道泉佐野熊取線です。車の場合、阪神高速4号湾岸線を使って大阪市内まで約1時間、関西国際空港まで約30分です(熊取町「熊取町の概要」)。
町内循環バス「ひまわりバス」
ひまわりバスは役場を乗継地に、つばさが丘方面・七山方面・青葉台方面・自然公園方面の4コースを走ります。運行は南海ウイングバスです。
運賃は大人100円・子ども50円で、交通系ICカードも使えます(2026年10月11日確認)。年末年始(12月29日〜1月3日)とだんじり祭の日は運休します。熊取駅へはバス停「青年会場前」から歩いて約5分です(熊取町「ひまわりバス(町内循環バス)について」)。
行き先によっては駅からバスに乗り継ぎます。たとえば大阪体育大学へは、熊取駅から南海ウイングバスで約15分です(大阪体育大学「アクセス」)。
子育て・防災・公共施設
町の転入定住のページでは、次のような取り組みを紹介しています。
- 就学前の範囲で、最年長の子から数えて第2子以降の保育料を無償化(令和5年9月分から)
- 子育てアプリ「くまっ子ナビ」
- 乳幼児の紙おむつ用に、町指定袋を無料で配付
- 町立小中学校はすべて、校内の調理場で給食をつくる自校調理方式
制度の内容は変わることがあるため、最新の条件は熊取町「ほほえみ子育て熊取町!-転入定住促進-」で確かめてください。
防災では、39すべての区・自治会に自主防災組織があります。町は、大阪府の被害想定(平成26年)で南海トラフ巨大地震による町の津波被害は想定されていないと記載しています。公共施設には、蔵書約38万冊の熊取図書館、2024年(令和6年)4月オープンの文化ホール「キテーネホール」と公民館「かむかむプラザ」があり、町内の公園は115か所です。
熊取町の歴史:「熊取野」から町制施行、学園文化都市へ
熊取町の歴史は、平安時代初めの『日本後紀』に記された「熊取野」までさかのぼります。江戸時代は岸和田藩領の「熊取谷」と呼ばれ、明治22年(1889年)に8か村が合併して熊取村となり、昭和26年(1951年)11月3日に町制を施行して熊取町になりました。
| 時代・年 | できごと |
|---|---|
| 延暦23年(804年) | 桓武天皇が「熊取野」で遊猟したと『日本後紀』に記される |
| 平安時代末期 | 後白河法皇が熊野詣の途中に中家に立ち寄り、行宮(仮の御所)としたと伝えられる |
| 南北朝時代 | 雨山城が北朝・南朝の争奪の場となる。正平8年(1353年)に南朝方の橋本正高が居城として整える |
| 江戸時代 | 「熊取谷」と呼ばれ岸和田藩領に。五門の中家と大久保の降井家が庄屋として村々を治める |
| 明治22年(1889年) | 大久保・五門・紺屋・野田・七山・小垣内・久保・小谷の8か村が合併し、熊取村が成立 |
| 昭和5年(1930年) | 阪和電気鉄道(現 JR阪和線)の開通と同時に熊取駅が開設 |
| 昭和26年(1951年) | 11月3日に町制を施行し、熊取町となる |
| 昭和38年(1963年) | 京都大学原子炉実験所が置かれ、熊取駅が快速停車駅に。宅地開発が進み、人口が増える |
後白河法皇の行宮は、町が伝承として紹介している話です。昭和60年(1985年)以降は大学の開校が続き、町は「学園文化都市」と紹介しています(熊取町「歴史」)。
大学が集まる「学園文化都市」としての熊取町
熊取町には大阪体育大学・大阪観光大学・関西医療大学の3大学と、京都大学複合原子力科学研究所があります。町はこれを「3大学1研究所」と紹介し、泉南地域の自治体で大学・研究所の立地数が最も多いと説明しています。
昭和38年(1963年)に京都大学原子炉実験所(現 京都大学複合原子力科学研究所)が置かれ、昭和60年(1985年)以降に関西鍼灸短大(現 関西医療大学)、大阪明浄女子短大(現 大阪観光大学)、大阪体育大学が相次いで開校しました。町は、大学・研究所と協力して子どもの学習支援や運動教室、実験教室などに取り組んでいると紹介しています(熊取町「ほほえみ子育て熊取町!-転入定住促進-」)。
熊取町の名所:中家住宅・降井家書院・永楽ゆめの森公園
熊取町の代表的な名所は、国の重要文化財の中家住宅と降井家書院、大型遊具と見晴らしの丘がある永楽ゆめの森公園です。中家住宅は入館無料で見学でき、降井家書院は普段は公開されていません。
中家住宅(国の重要文化財)
中家住宅は、江戸時代に岸和田藩の七人庄屋をつとめた中家の主屋です。入母屋造・茅葺・妻入の建物で、江戸時代前期(初期)に建てられました(熊取町「熊取町内の指定文化財の紹介」)。
文化庁のデータベースでは、昭和39年(1964年)5月29日に重要文化財(建造物)に指定され、表門と唐門も附(つけたり)として指定されています(文化庁「国指定文化財等データベース(中家住宅)」)。
見学の情報(熊取町「中家住宅」、2026年10月11日確認):
- 開館時間:10時〜16時30分(入館は16時まで)
- 入館料:無料
- 休館日:1・2・8月は月曜〜金曜(祝日を除く)、それ以外の月は水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 所在地:大阪府泉南郡熊取町五門西1丁目11-18
降井家書院(国の重要文化財)
降井家書院は、岸和田藩の七人庄屋をつとめた旧家・降井家の書院です。八畳の上段の間と十二畳の次の間からなる数寄屋風の建物で、町は江戸時代初期の建築とみています。
文化庁のデータベースでは、寄棟造・茅葺の建物として、昭和27年(1952年)3月29日に重要文化財に指定されています(文化庁「国指定文化財等データベース(降井家書院)」)。
ふだんは公開されていません。町の案内には秋(11月)の特別公開の記載があるので、公開日は町の公式サイトで確かめてください。
永楽ゆめの森公園
永楽ゆめの森公園は、約5ヘクタールの広さがある公園です。大型複合遊具や大型すべり台、健康遊具、スケートボード広場、散策路があり、見晴らしの丘からは関西国際空港や淡路島、明石海峡大橋を見渡せると町は紹介しています。
利用の情報(熊取町「永楽ゆめの森公園 公園の案内」、2026年10月11日確認):
- 開園時間:9時〜17時(5〜8月は18時まで)
- 駐車場:約190台(町内在住の人や障がいのある人などは、管理事務所で手続きをすると割引あり)
- 所在地:大阪府泉南郡熊取町大字野田65番10
入園料と休園日は公式資料で確認できていません。案内ページの更新日は2024年9月なので、出かける前に町の公式ページで確かめてください。
そのほかの自然・史跡
- 奥山雨山自然公園:町によると「大阪緑の百選」に選ばれています。
- 長池オアシス:町によると、農林水産省の「ため池百選」に選ばれています。
- 来迎寺本堂:鎌倉時代の建築様式を伝える、国の重要文化財です。
- 史跡 日根荘遺跡「土丸・雨山城跡」:南北朝時代に争奪の場となった雨山城の跡を含む、国の史跡です。
- 煉瓦館:昭和3年に建てられた旧中林綿布工場で、経済産業省の「近代化産業遺産」に選ばれています。
熊取町の特産・祭り・町のシンボル
熊取町の特産野菜は、ふき・水なす・玉ねぎ・さといも(小芋)です。町の花はひまわり、町の鳥はメジロで、マスコットキャラクター「メジーナ」はメジロがモチーフです。10月には2日間のだんじり祭が行われます。
特産と地場産業
町は、大阪・泉州が「泉州玉ねぎ」や「和泉木綿」で知られる地域だと紹介しています。大阪・泉州の綿織物は、室町時代に綿の栽培と白木綿の製織が始まり、江戸時代には「和泉木綿」の名で知られました。熊取町のタオル生産は、明治26年(1893年)ごろに始まっています(熊取町「産業」)。
造園業では、松の剪定法「熊取流ちらし」を町が紹介しています。煉瓦館(熊取町五門西1丁目10番1号)には、地場産品のアンテナショップ「ショップひまわり」があります。
熊取だんじり祭
熊取町のだんじり祭は、10月の2日間に行われます。1日目は氏子地区の11台の地車が大森神社へ宮入りし、2日目は熊取駅前でパレードがあります。町によると、天保12年(1841年)には8か村が地車を持っていたことが、中家に伝わる文書から分かっています。
その年の日程や時刻は、熊取町「だんじり祭」と一般社団法人くまとりにぎわい観光協会【公式】で確かめてください。祭りの日は、町内循環バス「ひまわりバス」が運休します。
町章・町の木・町の花・町の鳥
- 町章:「マ」の形の花びら9枚で「クマ」、「リ」の形のおしべ10本で「トリ」を表し、全体で町の花ひまわりをかたどっています(昭和26年11月3日制定)。
- 町の木:梅(昭和51年選定)
- 町の花:ひまわり(昭和51年選定)
- 町の鳥:メジロ(平成23年選定)
ひまわりバスには「メジーナちゃん号」という愛称の車両もあります(熊取町「町章・町の木・町の花・町の鳥」)。
よくある質問
Q熊取町とはどんな町ですか?
熊取町とは、大阪府南部の泉南郡にある町で、関西国際空港のある泉佐野市の東隣に位置します。人口は42,091人(大阪府毎月推計人口、2026年9月1日現在)で、3つの大学と京都大学の研究所があり、町は「学園文化都市」と紹介しています。国の重要文化財の中家住宅・降井家書院が残っています。
Q熊取町の人口は何人ですか?
熊取町の人口は、大阪府毎月推計人口で42,091人(2026年9月1日現在)です。町の住民基本台帳では41,793人(2026年9月末現在)で、数え方の違う統計のため数字が一致しません。令和2年国勢調査では43,763人でした。
Q熊取町で有名なものは何ですか?
熊取町で有名なものは、国の重要文化財の中家住宅と降井家書院、永楽ゆめの森公園、10月のだんじり祭、3つの大学と京都大学の研究所です。特産野菜には、ふき・水なす・玉ねぎ・さといもがあります。
Q熊取町は住みやすい町ですか?
熊取町は、JR熊取駅から大阪市内まで約35分、関西国際空港まで約15分(町の概要)の町で、町内には町内循環バス「ひまわりバス」が4コースで走っています。町は「ほほえみ子育て熊取町!」を掲げ、第2子以降の保育料の無償化や、39すべての区・自治会での自主防災組織の結成を紹介しています。住みやすさは通勤・通学先と車を使うかどうかで変わります。
Q熊取町のマスコットキャラクターは何ですか?
熊取町のマスコットキャラクターは「メジーナ」で、町の鳥のメジロがモチーフです。町内循環バス「ひまわりバス」には「メジーナちゃん号」という愛称の車両があります。
まとめ
熊取町とは、大阪府泉南郡にある人口42,091人(大阪府毎月推計人口、2026年9月1日現在)の町で、江戸時代の庄屋の家の建物が残る歴史と、大学・研究所が集まる学園文化都市の顔をあわせ持つ大阪・泉州の町です。
- 位置:泉佐野市の東隣、和泉山脈のふもと
- 人口:42,091人(府の推計)。住民基本台帳・国勢調査の数字とは一致しない
- 交通と暮らし:JR阪和線は町の西端を通り、町内はひまわりバスが結ぶ。子育て支援に力を入れている
- 歴史:熊取野、熊取谷、熊取村を経て昭和26年に町制施行
- 名所:中家住宅・降井家書院・永楽ゆめの森公園
- 特産・祭り・シンボル:ふき・水なす、10月のだんじり祭、メジーナ
大阪・泉州のほかの市町の歴史・名所は泉州の地域ガイドにまとめていきます。お店選びの記事は、トップページのジャンルとエリアからたどれます。


熊取町に暮らす一人として、まず町の人口を調べ直すと、42,091人(大阪府の推計人口)、41,793人(町の住民基本台帳)、約4万3千人(令和2年国勢調査)と3通りの数字がありました。私は、今の町の規模を知りたいときは基準日のはっきりした府の推計人口を使い、住民基本台帳の数字は統計の違いを添えて並べます。よく見かける「約4万3千人」は国勢調査のときの数字で、基準日を見ないと今の人口と取り違えるからです。